【ALPS処理済み汚染水】海洋放出は絶対ダメ!JCFU事務局 連載報告

漁師は「海洋放出に代わる処理案」を切望

それは「反対の表明だけでは海洋放出の着手を止められない」と懸念するからです。
「処理案」を考える責任は本来は政府・東電にあります。しかし政府・東電は、海洋放出に反対する民意がどんなに強くても、ずっと無視してきました。ですから、この懸念には道理があります。

漁場があり航路がある海への汚染水放出は、かならず風評被害を引き起こします。 政府の文書も「風評被害は必ず起こる」ことを認めています。 すなわち「特段の対策を行わない場合には(中略)海洋放出について社会的影響は特に大きくなると考えられ(る)」と述べています。

「漁民の存在そのものを危うくする風評被害を招く海洋放出を実現させてはならない。代替案が必要だ」これが漁民とJCFUの基本的な見解です。

すでに提案されている代替案には、原子力市民委員会が提案している①大型石油タンクを建設して長期保管、②米核施設で実績のある「モルタル固化」があります。わたくしたちは、これに加えて③濃縮分離、④大深度地中貯留を提案します。

私たちはどれか一つの方法に固執はしません。とにもかくにも「絶対に海に流してはいけない」「海に流す以外の方法はある」ことを強く訴え、海洋放出ありきで邁進する政府・東電の計画にストップを掛けたいのです。

1.「大型タンク」、「モルタル固化」で陸上貯留

セシウム汚染に因る風評被害を抑えるには、スクリーニング(汚染海産物を選別し市場から取り除くこと)が有効でした。トリチウム汚染水ではこれができません。海洋放出を回避して長期陸上貯留の検討を!

        

2.「濃縮分離」でコンパクトに陸上保存

汚染水からトリチウムガスを分離し取り出し、チタンと化合固化させてボンベに貯蔵する「濃縮分離」の検討を。この案は、経産省が2014~2015年に公募した実証プラントが目標レベルの性能を達成。

石油掘削の技術を使って、ALPS処理済み汚染水を1000㍍以上の深い地中にある貯留層に圧入して貯蔵。トリチウムの短い半減期から見れば、貯留層は長寿命で堅牢な貯留タンク。わずか3~4年で125万㌧を稀釈して貯留できます。

動画「2021.12.17 FFPJオンライン連続講座第9回 原発処理汚染水を海洋に放出するな!--代替案「大深度地中貯留」の紹介--」