それは「反対の表明だけでは海洋放出の着手を止められない」と懸念するからです。
「処理案」を考える責任は本来は政府・東電にあります。しかし政府・東電は、海洋放出に反対する民意がどんなに強くても、ずっと無視してきました。ですから、この懸念には道理があります。
漁場があり航路がある海への汚染水放出は、かならず風評被害を引き起こします。 政府の文書も「風評被害は必ず起こる」ことを認めています。 すなわち「特段の対策を行わない場合には(中略)海洋放出について社会的影響は特に大きくなると考えられ(る)」と述べています。
「漁民の存在そのものを危うくする風評被害を招く海洋放出を実現させてはならない。代替案が必要だ」これが漁民とJCFUの基本的な見解です。
すでに提案されている代替案には、原子力市民委員会が提案している①大型石油タンクを建設して長期保管、②米核施設で実績のある「モルタル固化」があります。わたくしたちは、これに加えて③濃縮分離、④大深度地中貯留を提案します。
私たちはどれか一つの方法に固執はしません。とにもかくにも「絶対に海に流してはいけない」「海に流す以外の方法はある」ことを強く訴え、海洋放出ありきで邁進する政府・東電の計画にストップを掛けたいのです。